【簡単解説】「小1プロブレム」とは?〜過ごし方のギャップが原因〜

過ごし方のギャップが原因「小1プロブレム」

授業中にも関わらず複数の子どもが教室内を歩き回ったり、
先生の指示通りに行動できなかったりするため、
正常に授業を進行できない事態に陥ってしまうことがある「小1プロブレム」。
今回はそんな小1プロブレムについて簡単に解説していきます。

小1プロブレムの背景

改めて小1プロブレムとは、保育園や幼稚園を卒園したばかりの小学校1年生にみられる、
落ち着きのない状態が続くことを言います。

「第1学年児童の不適応状況」の定義
第1学年の学級において、入学後の落ち着かない状態がいつまでも解消されず、教師の話
を聞かない、指示通りに行動しない、勝手に授業中に教室の中を立ち歩いたり教室から出て
行ったりするなど、授業規律が成立しない状態へと拡大し、こうした状態が数か月にわたっ
て継続する状態をいう。

平成24年6月28日 東京都教育委員会報告書概要『小1問題・中1ギャップの予防・解決のための「教員加配に関わる効果検証」に関する調査の結果について』

小1プロブレムは小学校1年生次における学級崩壊ではあるものの、
教師に対する反抗やいじめ、問題行動などのような一般的な学級崩壊とは性質が若干異なります。
また、小1プロブレムは1990年代からすでに指摘され始め、近年では全国的に問題視されるようになってきています。

小1プロブレムの原因

小1プロブレムが起こる原因として、「家庭や地域の教育力の低下」や「教員の指導力の低下」など様々な理由が言われていますが保育園・幼稚園と小学校とのギャップがよくあげられます。

幼児期の教育の特質として遊びを通した総合的な指導など、物的な環境だけでなく、
教師や他の幼児を含めた幼児の周りの環境すべてを通して行う教育を基本としています。
一方で小学校では座学を中心とした学習かつ日本では一斉授業の形態をとっています。

幼稚園小学校
教育のねらい・目標方向目標
(「〜を味わう」「感じる」等
の方向づけを重視)
到達目標
(「〜できるようにする」といった
目標への到達度を重視)
教育課程経験カリキュラム
(一人一人の生活や経験を重視)
教科カリキュラム
(学問体系を重視)
教育の方法等個人、友達、小集団
「遊び」を通じた総合的な指導
教師が環境を通じて
幼児の活動を方向づける
学級・学年
教科等の目標・内容に沿って選択された
教材によって教育が展開
教育の特徴の違い

対策

このような小1プロブレムに対し、文部科学省では幼稚園、保育所及び認定こども園と小学校との連携を一層強化し、子どもの学びの連続性を確保することが重要であると述べています。

保育園・幼稚園と小学校との連携について具体的に下記の例があります。

  • 県・市教育員会が中心となり、小学校教員の幼稚園等への長期(1年)派遣、合同研修等を実施
  • 小学校と近隣の幼稚園・保育所が協力し、教職員の相互交流や指導の在り方の協議を実施
  • 幼稚園・小学校教員、保育士が合同で、教育実践をもとに「幼児教育研究事例集」を作成
  • 共通で作成した年間計画のもと、保幼小の子どもたちが定期的に相互に交流

保育園・幼稚園と小学校の連携だけでなく、各家庭においても基本的な生活習慣を身につけることや時間・集団を意識した生活をする、学習の基礎を学ぶ時間を設けることでギャップによる戸惑いを軽減することができます。

まとめ的な

新卒の社会人ですら研修期間として、仕事や環境に慣れる期間が設けられていますが、
精神的にも肉体的にも幼い小学1年生にとっては環境の変化に対するストレスはとても大きくなります。また、そのストレスに対する対処や解消法も自身ではとても難しいです。

日々のコミュニケーションや、子どもが1人でできることを徐々に増やしていくなど自己肯定感を高めつつ、徐々に環境の変化に慣れさせていくことが大切です。

何より、学ぶことの楽しさを見つけ学校生活がより良くなることがベストですね。

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